Staff interview #29 「スタディサプリ ENGLISH 英語4技能コース」開発メンバー

グローバル化を背景に英語教育にますます注目が集まっています。それに伴って学校教育での英語指導のあり方も大きく変わろうとしています。そんな状況を背景にQuipperでは、高校を対象に「読む」「聞く」「話す」「書く」の英語4技能全ての学習をサポートする「スタディサプリ ENGLISH 英語4技能コース」(4技能コース)をリリースしました。当初の予定から前倒しでリリースを実現し、MVPを受賞した開発主要メンバーにお話を伺いました。

「3月までに販売を」、リミット意識の強かった4技能コースプロジェクト

Q:高橋さんと河津さんは新卒で入社されましたが、松田さんと小川さんは転職してこの会社にジョインしてきたんですよね。

 

松田:僕は以前、エンジニアとしてB2Bの製品開発に携わっていましたが、B2Cもやりたいなと。また、ただエンジニアとして製品を作るだけでなく、「どんなものがユーザーに求められているのか」といった上流の部分にまで踏み込んでプロダクトを作っていきたいと思い、2018年7月にこの会社に転職してきました。

 

松田:そうしたら、2019年3月にリリース予定の4技能コースのプロダクトマネージャーを担うことになりまして……(笑)。分からないなりに、ビジネス側と「何をやらなければいけないか」の整理と、「最低限守らなければいけないことは何か」の認識合わせを行った上で、エンジニアの皆さんに依頼し、作っていただいた感じです。

小川:僕はデザイナーとして、わりと初期の段階からこのプロジェクトに携わってきました。以前は制作会社でデザインやアートディレクターをやっていましたが、制作会社だと作って納品したらそれで終わり。自分たちが作ったものが、その先でどう受け止められたか、効果が出たのかまで知るのは難しくて。自社でサービスを持っている会社でサービスを磨いていきたいと思い、2017年9月に転職してきました。

 

小川:なので今回のプロジェクトでは、ワイヤーフレームを考えるという今までの役割だけでなく、「高校生がちょっと難易度の高い問題でもトライし、くじけず継続してやっていけるように」という課題をコンテンツチームと共有し、それをかなえるUIをどうやったら実現できるか、いろいろな案を作成して議論していきました。外注ではなく内製なのですから、自分たちのサービスを理解し、何にコミットするかを考えた上で適切なUIを出すことにフォーカスしていくデザインチームでありたいと考えていました。

小川:そんな中チャレンジングだったのは、学校教育のサポートツールとして先生方が教材を決定する3月までに、4技能コースを販売しなけばいけないというリミットがあったことです。スタディサプリENGLISHは学校導入もしていますがTOEIC対策など多くは社会人向けということもあり、いつでもプロモーションが打てる感じなのですが、こんな風にリミットがあるサービスは久々だったかもしれません。

 

松田:そうですね、リリース日は絶対に譲れないという要望はとても強かったですね。逆に、そこは譲れないからこそ、「この機能は別の形で提供しよう」とか、「理想はそうだけれど現実的にはこういう形にしよう」といった落としどころを付けて、歩み寄りながら作っていきました。

固まらないコンテンツに対応できる、汎用的なトレーニングを開発

松田:通常のプロダクトならばコンテンツが固まってから開発するんですが、4技能プロジェクトの最大の課題は、どういうコンテンツを入れるかが最後の最後までチームと議論していたことです。エンジニアの皆さんのすごくありがたかったところは、ここで「どんなコンテンツが来てもある程度対応できるような、汎用的なトレーニングを作ってほしい」というオーダーを理解してくれて、実装をばんばん進めてくれたことですね。

 

小川:それがあったから間に合いました。とても助かりましたね。

 

松田:実はリリース直前にもコンテンツ変更がありましたが、先を見越した作りにしていただいたのでとても助かりました。ビジネス側からの要望をまとめて「こういうことをやりたい」とお伝えし、どうやったらできるか相談に乗ってもらって……ただ、かっちり固まった仕様ではなく、ふわふわした形で要望をお渡ししてしまったかな、という思いもありまして……そのへん、やりにくかったですか?

 

河津:もちろん、「このトレーニングには必ず写真が入ります」といった具合にかっちり決まっている方が精神的にも楽だし、実装にかける時間も少なくなります。ただ、未定の部分が決まるまで、そこをブロッキングせずに他の作業を進められるような実装方法や設計をするのもエンジニアとしての腕の見せ所かなと思っています。トレーニングに写真が入っていてもいなくても、また音声があってもなくても動作する作りにしていくのはちょっと面倒だけれど、きちんと設計し、最後の最後までコンテンツの決定を支援できたのはよかったかなと思います。

松田:クライアントやサーバとのつなぎ込みの部分も連携してもらい、「ここはサーバ側の意見を優先すべきだよね」「あっちはクライアント側の意見を優先すべきだよね」とけっこう活発に議論しました。例えば、画面に何ピクセルかスペースを入れたいという要望があったとき、ビューの部分はクライアントで持つべきか、サーバで持つべきかといった細かなところも含めて議論し、うまく汎用的なものを作っていただけたなと思っています。

疑問点はすぐに「デイリースクラム」でぶつけ合い、正確な状況を共有

Q:エンジニアの皆さんが加わってからはどのように進めていったのでしょうか。

 

松田:エンジニアの皆さんにプロジェクトに入っていただいた後は、毎日「デイリースクラム」のような感じで、オンラインの人も含めて全員集まって、疑問点があったらそこでぶつけ合う形にしていました。参加人数が多く、人によっては自分に関係ない話でも聞かなくてはいけない状況を起こしてしまったのは反省点ですが、困ったことがあったらすぐに聞けるようにしていました。

 

河津:エンジニアとしては、リモートワークを取り入れて、“できる限りムダなコミュニケーションを減らして生産性を上げる”という考え方が強い中、“毎日皆と話す”ということをそれまで意外としていませんでした。だから今回やってみて、疑問点を抱えたまま進めることがなくなったり、認識に齟齬が出にくくなったりと、デイリースクラムにもメリットがあるね、と感じ直すいいきっかけだったなと思います。

 

高橋:その当時、サーバチームは人数がどんどん増えていた時期でした。メンバーが増えるのは心強いことなのですが、既存のコードや設計、ドメイン知識をほとんどの人が持たないため、それについて口頭で話せる機会にもなったのはよかったなと思います。ただ、ドメイン知識を持たないと分からない議論になってしまうと、一部のメンバーが置いてけぼりになったり...その辺のバランスは難しかったかなとも思いますね。

 

松田:4技能コース後の別プロジェクトでもデイリースクラムを実施しています。いったんデイリースクラムをやめた時期もあるのですが、改めて話し合って復活しました。ただ、人数が増えすぎて無駄な話が多くならないよう、やり方を工夫しつつあるところです。

 

松田:入社してすぐのプロジェクトだったので、皆さんがどんなことを思っているのか、どのくらいのスピード感で開発するのか、よくも悪くも分からない状況でした。だからこそ、デイリースクラムをはじめひんぱんにコミュニケーションを取って、エンジニアの皆さんからの正直な意見を意識して聞き出していきました。「これって、実際どのくらいでできそうですか」「やっぱり15日くらいかかりますね」「ですよねー」という感じで近い距離でお話しして、調整していけてよかったなと思います。

 

松田:ビジネス側からいただいた要望をある程度絞って優先順位を付けて「このくらいなら期限内にお願いできるかな」というものをお渡ししたら、スピードが圧倒的すぎて……期限内にできるのはもちろん、もともと2チーム体制で進めていたのですが、途中からは1チームでいけるとなって、前倒しでリリースできたのは、ひとえにエンジニアの皆さんに圧倒的なスピードで開発していただけたからだと思っています。

優先順位付けと互いの染み出しがプロジェクト成功の要因に

Q:4技能コースは当初の予定よりも前倒しでリリースできたそうですが、その要因は何でしょう?

 

松田:そこはもう、エンジニアの皆さんの圧倒的な開発力です。

 

小川:でも、松田さんがプロジェクトをさばくのもすごかった……もちろんエンジニアさんも頑張ってくれたのもありますが、きちんと優先すべき項目を判断していったのが大きいと思います。

 

高橋:今までの開発プロジェクトは、「これをやりたいです」というビジネス側の要件がエンジニアに直接降ってくる、ウォーターフォールに近いやり方だったんですよね。優先順位や背景のコミュニケーションが十分にできないまま開発に進んでしまい、結構ぱつぱつになってしまうことも多かったのですが、松田さんが間に入って調整してくれたことによっていろいろ融通が利いたのは大きな違いかなと思います。

河津:ビジネス側からの要望がどれくらい強いものなのか、どれくらい“Must”なものかが具体的に分からなかったので、「あれも、これも、やらなきゃいけない」と思って開発していたのが、間に入ってくれる人がいたおかげで、代替案としてもっと楽な対応策を見つけられるんだという発想が得られました。そこはすごく大きかったと思います。

 

高橋:しっかり優先度管理を専門で担当する人が必要なのかなと思いますね。

 

小川:プロダクトマネージャーだけれど、エンジニアとしての経験があるのも大きいですね。スキルがあるから両方回せるというか、理解できるというか。

 

河津:うん。当然のようにテーブル名で会話できるってすごいですよね。

 

松田:ありがとうございます(笑)。今回は、要件をふわふわの状態で渡してしまったのは申し訳なかったと思いますが、早い段階で「これはいけます」「これをやっているとさすがに間に合わなくなります」といった事柄を聞き出しながら、部分的にスクラム開発ができたと思っています。難易度の高いプロジェクトだったにもかかわらず、エンジニアの皆さんがそれを理解し、協力的に進めてくれたことには感謝しかありません。

 

松田:それから、小川さんにもいろんな動き方をしてもらって助かりました。本来ならばプロトタイプをエンジニアに開発してもらって、それを示しながら営業活動を展開するんですが、そこをデザインチームが巻き取って、デザインデータでプロトタイプのようなものを作ってくれたりと、柔軟に動いていただきました。



小川:僕は最初の方からプロジェクトに加わっていたので、もともとプロトタイプの必要性は感じていたんです。各画面や機能をつないでプロトタイプを作っていくのは確かに体力を使う作業ですが、前々から営業さんの販売を何かお手伝いできないかと思っていて、どちらにせよ必要だと思っていたので作成しました。

 

小川:その意味で僕は、河津さんのアイデアに助けられました。AndroidのUIで入力エリアが狭く困っていたのですが、「こういうのならいけそうですよ」というアイデアをポーンと出していただいて……デザインだけでやり切るのが難しいところを、エンジニアさんから「こういうことだったらできるし、こうしたら使いやすいんじゃないですか」と提案いただけたのはありがたかったです。

 

河津:そうでしたっけ? 半年前のことなので、正直覚えてないです(笑)

 

松田:そこは正直、エンジニアの皆さんに甘えきっているところもありますね。よく「やんちゃに提案する」という表現を使っているんですが、雑に「こんなのやりたいんですけれど」と投げても、できる、できないをはっきり教えてくれて、できるものは作っていただけるのは、内製の開発部隊でいてくれる強みというか、助かる部分ですね。

大切にしたい「率直に意見を言い合える文化」

Q:4技能コースの経験も踏まえ、今後のプロジェクトではどんなことを大切にしていきたいですか?

 

松田:僕の個人的な思いですが、今のスタディサプリ ENGLISHというプロダクトは0から1へというフェーズを卒業し、10から100になっていくフェーズに入っていて、そこでいかにひずみなく拡大させていけるかがとても大事なポイントだと思っています。4技能コースの開発も、お金ベースだけでは換算できない、社会的な意義として提供すべきものだというプロダクトの立ち位置を意識し、その後の製品にも生かせるように、スポット開発にならないようにということを大事にしました。4技能コースだけにしか使えないようなものはほとんど作ってないと思います。

 

松田:10から100へと加速していくフェーズを経験できる機会って、そう頻繁にあることではないと思います。面白いフェーズで、その中でいかに成功を収めていくかを考えると、重要なのは、間違っていることは「間違っている」とちゃんと言える文化、ムダなものに対して「それ、ムダですよね」とちゃんと言い合える文化だと思います。組織が大きくなってきても、皆が率直に意見を言い合える空気を作り、ベンチャーらしいスピード感を失わないようにしたいなと思っています。

 

河津:僕は、とにかく楽しくやっていくことですね(笑)

 

松田:乗っかりますが、やりたいことをやれる楽しい雰囲気って大事ですよね。皆さんの積極的な協働が減って、やりたいことがやれないのはよくないと思います。

 

河津:実際、今、楽しいですし、やりがいを感じ続けて働けているなと思います。4技能コースでもそれ以外のプロジェクトでもいろいろな案件がありますが、そのどれに携わる中でも、皆がそれぞれエンジニア的な挑戦をしていますし、自分自身もできていると思います。

 

高橋:今は全社的な基盤の部分に携わっていますが、風通しの良さというか、自由に言いたいことを言い合って、活発に議論しながら課題を解決してくのが4技能プロジェクトのやり方のいいところだったと思っています。これからもエンジニア同士、あるいはエンジニアとビジネスサイドで気兼ねなく言いたいことを言って、プロジェクトをどんどん前に進めていければいいなと思っています。

 

小川:エンジニアやプロダクトマネージャー、事業側と話していくときに「こうすれば生徒や先生が使いやすいんじゃないか」とか、「こうなっていると学習成果につながるんじゃないか」といった事柄を声に出していいやすい環境が既にありますね。議論しやすくて、アイデアを再現してくれるエンジニアもいて、デザイナーからするととても安心な体制が敷かれているし、それが続いていくといいなと思っています。





2019/8/26

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