Staff interview #07 鈴木 維 / Tadashi Suzuki

子ども世代に貢献できる仕事に取り組みたくなった

スペインのマドリードで生まれて、高校卒業までの18年間をマドリードで過ごしました。幼稚園、小中高とスペインの現地校に通い、生活の大半はスペイン語。日本語は両親と会話する程度でした。見た目は100%日本人なのに日本語は片言という状態で日本の大学に入学しました。

その頃、iMode全盛期で、モバイルインターネット領域では日本がインフラ面でもコンテンツ面でも圧倒的な世界一でした。それを世界に届けたいと思い、2009年に当時モバイル領域でナンバー1の会社だったITベンチャーに新卒入社しました。

そこではソーシャルゲームの開発・運用を担当しました。希望通り海外展開の一員として、上海やチリのサンティアゴに駐在しながら、海外市場向けにサービスを展開しました。そこで得た大きな学びは一次情報を積極的に取りにいくことの大切さです。日本で成功しているゲームだとしても、そのままローカライズして海外のユーザーに届けても全くヒットしませんでした。各地域の文化や価値観など、データでは見えてこない情報をできるだけ多く集めて、自分自身の肌で感じ、はじめてその地域のユーザーが欲しいものが見えてくる。

2014年11月に子どもが生まれたのを機に、エンタメ以外はまるで興味がなかった嗜好がガラリと変わりました。これからの子ども達が生きる社会について考えるなかで、より子ども世代に貢献できるような事業に取り組みたくなったのです。

見渡してみると、教育はこの先最も大きく変わっていくべき分野のひとつだと感じました。産業革命以来、教育はあまり進化していのではないかと。クリエイティビティやコミュニケーション能力などの将来必要となる力を、今の教育システムでは培えないと思いました。自分の子どもが従来型の教育を受けるとどういう大人になってしまうのか。何かを変えたいと、切実に思うようになりました。それで転職活動をして、2016年3月にリクルートに入社しました。最初は投資部門に配属され、兼務としてQuipperに関わり、同年10月からはQuipperの専任になりました。

現在はメキシコでQuipperを展開しています。とりあえずの目標としては、受験生でQuipperを使っていない生徒はクラスで「時代に乗り遅れているんじゃない?」扱いをされるぐらいの存在になることです。そのために必要なのは地道に一人でも多くの学生にリーチして、使いたいと感じてもらって、何より「QuipperVideoを使って受験に挑んだら第一志望校に受かった」という状況を作ること。営業チャネルの開拓、教育委員会や政府との連携、チームや先生の採用育成、経理までと幅広く、泥臭く仕事に取り組んでいます。


メキシコでは、保護者に進学の効用を説くところから

現在メキシコでは地域をメキシコシティに絞り、かつ、高校受験対策のサービスだけ提供しています。ターゲットはメキシコシティで毎年高校受験をする約30万人の中学三年生になります。メキシコシティで実績を作った後、今後は対象年齢も地域も広げていきたいです。

メキシコ独自の教育事情としては、ドロップアウト率の高さがあります。中学3年生の半分以上が高校に進学しません。そして高校に進学した学生のうち、卒業するのは全体の6割程度です。一方で最終学歴による生涯年収の差は約3倍と大きい。

学歴がその後の人生設計に直結するにもかかわらず、そのことがあまり社会に浸透していません。教育への熱意は決して高くないため、保護者に向けて進学することのメリットを理解してもらうところから始めなければならない。それが赴任して一番初めに感じたメキシコで事業をする上での難しさです。

また、生徒が興味を示してもお金を払うのは保護者なので、両方に効率よくアプローチできる営業チャネルの開拓にかなり苦労しました。僕自身がスペイン語を母国語に持つ強みをフルに生かして、メンバーと肩を並べて現場で試行錯誤を重ねました。一緒に学校に電話をかけたり、教室でプレゼンしたり、親御さんと電話で話したり、教育委員会と交渉したり、様々なことをスピード感もって試しました。

チームのメンバーの役割も仕事の内容も頻繁に変わっていきました。かなりストレスフルな時もあったと思いますが、みんなしっかり応えてくれた結果、ようやく昨年になって兆しが見えてきました。メンバーに恵まれて本当に感謝しています。

それでも子どもがやりたいと言っているのに親が渋ってしまうようなケースがまだまだ多いです。現状、価格が塾より圧倒的に安くても、まだ実績のないオンラインサービスを信用してもらう難しさがあります。いいサービスを提供することが生徒の学力向上につながり、その実績が信用につながっていくと考え、日々取り組んでいます。


いちいち落ち込んでいたら、メキシコでは何も進まない

オンライン教育がまだまだ浸透していない国で市場を切り開いているので、とにかくモチベーションが高い人が集まっています。やりきる力、学ぶ意欲や、教育への関心が高くて、自分の成長を惜しまない人を積極的に採用していますし、今後もそういうメンバーの集合体でいたいと思っています。うまくいかなかったり、転ぶのは当たり前。市場を切り開いているので、まずはやってみて、早く失敗した方が正解への近道になると思っています。

赴任してから数多くの失敗がありました。例えば支払い方法。メキシコでは何でも分割払いにする文化にも関わらず、それを知らなかった私は一括払い方式を採用し、契約したいのに一括払いだと支払えないという潜在顧客を逃していました。

他にも、オンラインサービスだからオンライン・マーケティングでの集客が適しているだろうと考えていたら、親世代には、オンラインでの登録や決済が浸透しておらず、大失敗をしてしまいました。

振り返ればもっとうまくやれたことばかり。頭でっかちになりすぎてターゲット層に寄り添えてなかったな、とか、現場で前のめりになりすぎて全体像を見失っていたな、とか、ダメだった施策をやめる意志決定をもっと早くすればよかったな、とか、日々反省ばかりです。

ただ、1回ずついちいち落ち込んでいたら物事が前に進まない。転んで学んでを繰り返し、体当たりでひとつずつ成功の鍵を見つけていくしかないと思います。



メキシコでまずはきちんとスケールしていくことが最優先ですが、その先にはラテンアメリカ全体への展開も考えていきたい。ラテンアメリカではオンライン教育領域はブラジルを除けばまだまだ未開拓ですし、メキシコで苦労した分、必ず他の国でのアドバンテージになると信じています。

オンライン教育サービスを展開していて思うのは、やり続けるのが非常に難しいというところです。大人でも難しいのに、中学生にサボらず自力で勉強しようといっても少し無理がある。

継続をさせる仕組み作りが大事だと思い、メキシコではサポート部門をつくって、毎週個別に学生と親御さんに今週やる課題や模試の結果レポート、勉強のコツなどをチャットで配信しています。結果WALがかなり伸びてきました。コンテンツには自信があるので、継続的に勉強をすれば必ず効果は上がると思っています。

生徒と親の信頼を得て契約していただいているのだから、全力で生徒一人一人の結果にコミットして、市場に対してQuipperVideoの効果を証明していきたいです。
  1. Quipper Career Tokyo
  2. スタッフインタビュー
  3. 鈴木 維 / Tadashi Suzuki

Quipperは、ユーザー体験の改善を目的にCookieを使用します。詳細につきましては、こちらをご参照ください。

同意